偽王子と、甘い偽恋
今は臣くんが先にマンションに住んでいる。実家に一度戻った時点で用意されていたその部屋は、臣くんの祖母から借りているものなのだそうだ。そこに私も住まわせてもらうことになった。
身内でも何でもない私が図々しくないかは悩んだけれど、臣くんが「ばあさんからも許可を取ってる」と話してくれたので、それなら…と甘えることに決めた。
「早く終わらねぇといつまで経ってもお前だけこっちの部屋だよ」
「そんなのやーだー!」
「駄々こねてねぇで早くやれや!」
そう叱られてしまい、しょげながら荷造りを進める。
早く一緒に住みたい。また前みたいに同じ空間で暮らしたい。そんな気持ちはあるのだけれど、どうしても思い出の品に意識が削がれて、作業が捗らない。
それに、ここはほんの少しの間とはいえ、臣くんと過ごした家だ。
楽しかった記憶が詰まっている分、離れる寂しさもあった。
「ねぇ、臣くん」
「んだよ、口ばっか動くな」
「何で臣くんのおばあ様はさ、私と住むこと許してくれたのかな。お父様は私との交際を反対しているでしょ?」
臣くんはあの記者会見の後、当然ながら父親から酷く叱られたらしい。
交際なんて認めないとも、はっきり言われたそうな。
そんな状況なのに、臣くんの祖母は私との交際を応援するかのように、マンションの一室を貸してくれたのだという。
身内でも何でもない私が図々しくないかは悩んだけれど、臣くんが「ばあさんからも許可を取ってる」と話してくれたので、それなら…と甘えることに決めた。
「早く終わらねぇといつまで経ってもお前だけこっちの部屋だよ」
「そんなのやーだー!」
「駄々こねてねぇで早くやれや!」
そう叱られてしまい、しょげながら荷造りを進める。
早く一緒に住みたい。また前みたいに同じ空間で暮らしたい。そんな気持ちはあるのだけれど、どうしても思い出の品に意識が削がれて、作業が捗らない。
それに、ここはほんの少しの間とはいえ、臣くんと過ごした家だ。
楽しかった記憶が詰まっている分、離れる寂しさもあった。
「ねぇ、臣くん」
「んだよ、口ばっか動くな」
「何で臣くんのおばあ様はさ、私と住むこと許してくれたのかな。お父様は私との交際を反対しているでしょ?」
臣くんはあの記者会見の後、当然ながら父親から酷く叱られたらしい。
交際なんて認めないとも、はっきり言われたそうな。
そんな状況なのに、臣くんの祖母は私との交際を応援するかのように、マンションの一室を貸してくれたのだという。