偽王子と、甘い偽恋
腹黒王子の覚悟。
ある日のことだった。
「あ、再来週、金曜から有給取っといて」
ネクタイを緩めながら、リビングからキッチンに向かってさらりと言葉を投げかけてくる臣くん。
意図が分からず、私は手を止めて首を傾げた。
「有給?何で?」
「りりかの好きそうなところ行く」
「私の好きそうなところ?」
そう言われても、パッと思いつく場所がない。
どうせ詳しく聞いたところで、この男が素直に答えをくれるはずもない。
私は大人しく「わかった」とだけ返事をしておいた。
⋆ ˖ ⏱︎.ᐟ
それから二週間後。
臣くんが車を出して連れてきてくれたのは、まさかのあの有名なテーマパークだった。
どこで写真を撮って映えるし、アトラクションも買い物も楽しくて、パレードに胸が躍る。まさに夢の国と呼ぶにふさわしい場所。
人混みが大嫌いな彼が、まさか自らこんな場所に連れてきてくれるなんて思ってもみなかった。きっと随分と葛藤した末に、私の好みを最優先してくれたのだと思う。
「ねぇ、何で急に?」
「…別に、気まぐれ」
絶対気まぐれでも来ないだろ。
そうツッコミたかったけれど、これ以上追求して彼のへそを曲げてしまうのも野暮な気がして、言葉を飲み込んだ。
何か理由がありそうなのに、その理由がちっとも見えてこない。
「…貸し切りにすればよかった。夜遅く来るとか」
「おい、金に物言わせようとすんな」
「持ってるものは使わねぇと」
このおぼっちゃまがよ。
「あ、再来週、金曜から有給取っといて」
ネクタイを緩めながら、リビングからキッチンに向かってさらりと言葉を投げかけてくる臣くん。
意図が分からず、私は手を止めて首を傾げた。
「有給?何で?」
「りりかの好きそうなところ行く」
「私の好きそうなところ?」
そう言われても、パッと思いつく場所がない。
どうせ詳しく聞いたところで、この男が素直に答えをくれるはずもない。
私は大人しく「わかった」とだけ返事をしておいた。
⋆ ˖ ⏱︎.ᐟ
それから二週間後。
臣くんが車を出して連れてきてくれたのは、まさかのあの有名なテーマパークだった。
どこで写真を撮って映えるし、アトラクションも買い物も楽しくて、パレードに胸が躍る。まさに夢の国と呼ぶにふさわしい場所。
人混みが大嫌いな彼が、まさか自らこんな場所に連れてきてくれるなんて思ってもみなかった。きっと随分と葛藤した末に、私の好みを最優先してくれたのだと思う。
「ねぇ、何で急に?」
「…別に、気まぐれ」
絶対気まぐれでも来ないだろ。
そうツッコミたかったけれど、これ以上追求して彼のへそを曲げてしまうのも野暮な気がして、言葉を飲み込んだ。
何か理由がありそうなのに、その理由がちっとも見えてこない。
「…貸し切りにすればよかった。夜遅く来るとか」
「おい、金に物言わせようとすんな」
「持ってるものは使わねぇと」
このおぼっちゃまがよ。