林檎 -ringo- ①
第2章 発芽
あっという間に放課後になった。
文化部は部活がない日だから、
紗羅と一緒に帰ることにした。
「どうだった?新しいクラス。ウチは理華と舞子がいるから最高だけど…。気になる人とか、いた?」
紗羅と喋りながら校門を出ると、
テニスコートが目に入る。
「気になる人、か…。」
テニスコートのほうに視線をやると
テニスの練習をしている皓太が目に入った。
走って、ボールを受けて、
ラケットで力いっぱい打ち返す彼。
「ナイスーーッ!!」
他の部員にも
熱い声援を送る姿。
風で揺れる テニスコートに立つ桜の木。
舞い上がった桜の花びらが
浩太のキラキラした姿を印象付ける。
彼の、テニスやその仲間に対する情熱が
確かにそこにあった。
そんな皓太の姿に
思わず見入ってしまう。
それを横目で見ていた紗羅は、
「ふーん、皓太が気になるんだあ…。」
と察していたけれど
皓太に惹かれ始めていた私の耳には
紗羅のその声は届かなかった。
「コラ!無視しないでよ!帰るよ!」
紗羅は私の肩をぺち、と叩くと
私は「はっ、」と
我にかえった。
「ごめん、ボーッとしてた。」
紗羅はそんな私をみてニヤッと笑い
さて、歩きながら聞かせてもらおうか?
と言いたげな表情を浮かべて
「行くよ!」と私の腕をひっぱり
私たちは帰り道を歩き始めた。
------------------
「…で、皓太なんでしょ?気になる男子って。」
「気になるっていうか…
なんか、他の男子と違うなって思って。
明るくてさ、話してて…嫌じゃないっていうか。」
そう。別に好きとかそういうのじゃないし。
ただ「友達」として、惹かれるっていうか
それだけだから。
でも紗羅は
「それさあ、もう好きじゃん。」
って、決まりきったように言う。
「いや、別に!好きとかそういうのじゃないし!てか、今日初めて喋ったばっかだし!」
「ふーん…まあいいけど。
じゃあ、もしホントに好きになったらさ、
ちゃんとウチらに言うんだよ?
ウチら親友だし、ちゃんと協力するからさ!」
「あ、ありがとう…。でも、ホントにそういうんじゃないから!」
家に帰ってからも
私は皓太のことが頭から離れなかった。
初めて喋った。
初めてテニスをしている姿を見た。
思えば彼は、私が中学生になってから、
初めて私に笑いかけてくれた男子だ。
ハッキリ言って、すごくかっこよく見えた。
「これが恋…なのかな。」
あっという間の1日だったけど
私の心の中で
何かが動き出したみたいだった。
文化部は部活がない日だから、
紗羅と一緒に帰ることにした。
「どうだった?新しいクラス。ウチは理華と舞子がいるから最高だけど…。気になる人とか、いた?」
紗羅と喋りながら校門を出ると、
テニスコートが目に入る。
「気になる人、か…。」
テニスコートのほうに視線をやると
テニスの練習をしている皓太が目に入った。
走って、ボールを受けて、
ラケットで力いっぱい打ち返す彼。
「ナイスーーッ!!」
他の部員にも
熱い声援を送る姿。
風で揺れる テニスコートに立つ桜の木。
舞い上がった桜の花びらが
浩太のキラキラした姿を印象付ける。
彼の、テニスやその仲間に対する情熱が
確かにそこにあった。
そんな皓太の姿に
思わず見入ってしまう。
それを横目で見ていた紗羅は、
「ふーん、皓太が気になるんだあ…。」
と察していたけれど
皓太に惹かれ始めていた私の耳には
紗羅のその声は届かなかった。
「コラ!無視しないでよ!帰るよ!」
紗羅は私の肩をぺち、と叩くと
私は「はっ、」と
我にかえった。
「ごめん、ボーッとしてた。」
紗羅はそんな私をみてニヤッと笑い
さて、歩きながら聞かせてもらおうか?
と言いたげな表情を浮かべて
「行くよ!」と私の腕をひっぱり
私たちは帰り道を歩き始めた。
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「…で、皓太なんでしょ?気になる男子って。」
「気になるっていうか…
なんか、他の男子と違うなって思って。
明るくてさ、話してて…嫌じゃないっていうか。」
そう。別に好きとかそういうのじゃないし。
ただ「友達」として、惹かれるっていうか
それだけだから。
でも紗羅は
「それさあ、もう好きじゃん。」
って、決まりきったように言う。
「いや、別に!好きとかそういうのじゃないし!てか、今日初めて喋ったばっかだし!」
「ふーん…まあいいけど。
じゃあ、もしホントに好きになったらさ、
ちゃんとウチらに言うんだよ?
ウチら親友だし、ちゃんと協力するからさ!」
「あ、ありがとう…。でも、ホントにそういうんじゃないから!」
家に帰ってからも
私は皓太のことが頭から離れなかった。
初めて喋った。
初めてテニスをしている姿を見た。
思えば彼は、私が中学生になってから、
初めて私に笑いかけてくれた男子だ。
ハッキリ言って、すごくかっこよく見えた。
「これが恋…なのかな。」
あっという間の1日だったけど
私の心の中で
何かが動き出したみたいだった。