地味なカフェ店員ですが一夜の相手が社長で溺愛されています
案内されたレストランは、落ち着いた照明に包まれた静かな空間だった。

ガラス越しに夜景が広がり、テーブルの上には小さなキャンドルが揺れている。

「こちらへどうぞ」

スタッフに導かれて席に着くと、自然と背筋が伸びた。

こんな場所、ほとんど来たことがない。

「緊張されていますか」

向かいに座った悠生さんが、穏やかに尋ねる。

「少しだけ……」

正直に答えると、彼はわずかに口元を緩めた。

「すぐに慣れますよ」

その一言で、少しだけ肩の力が抜ける。

メニューを開くと、見慣れない料理名が並んでいた。

迷っていると、悠生さんが静かに口を開く。

「もしよろしければ、こちらでお任せしてもいいですか」

「はい……お願いします」

そう答えると、彼はスタッフに短く注文を伝えた。

< 25 / 90 >

この作品をシェア

pagetop