地味なカフェ店員ですが一夜の相手が社長で溺愛されています

3章 恋愛恐怖症

その日の午後、店内は少しだけ賑やかだった。

扉のベルが鳴って入ってきたのは、数人の女性たち。

「ここでしょう? 社長お気に入りの珈琲ショップ」

その言葉に、手元がわずかに止まる。

――社長。

すぐに思い浮かんだのは、悠生さんのことだった。

「さすが御門社長のセレクト。お洒落ね」

「雰囲気もいいし、落ち着く」

楽しげに話しながら席につく彼女たちは、どこか華やかで。

巻き髪のロングヘアに、整ったメイク。

すらりとした体型に、洗練された服装。

まるで雑誌から抜け出してきたみたいな人たちばかりだった。

「いらっしゃいませ」

いつも通りの声を出したつもりなのに、少しだけ自分が浮いている気がする。

注文を受けながら、ふと気づく。

彼女たちの視線が、店内を見渡していることに。
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