地味なカフェ店員ですが一夜の相手が社長で溺愛されています
しばらくの沈黙。

やがて。

「……今日は、帰る」

不機嫌そうにそう言うと、背を向けた。

「また来るからな」

最後にそれだけ残して、扉の外へ消えていく。

ベルの音が、遅れて鳴った。

店内に、静けさが戻る。

「……大丈夫ですか」

悠生さんが、ゆっくりと振り返る。

その声は、いつもと同じ穏やかさで。

安心して、涙を流す私がいた。

悠生さんは私を抱きしめる。

「怖かったですよね」

「……はい」

この人の腕の中にいると、何もかもが安心する。

「悠生さん。私……」

「はい」

「あなたがいないと、ダメみたいです」

悠生さんは、私を見つめた。

「それは……俺も同じです。咲さん」

そして私達は、口づけを交わした。
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