無自覚系お姫様、溺れるほどに愛され中
碧葉君が殿堂入りしてるコンテストの女子部門。
あれで私が入賞してるのはお父さんの手前、失礼がないように皆さんが気を遣ってくれてるだけ。
お父さんの顔を立てるための組織票で、『紺野家のお嬢さんに投じなさい』って親御さんに言われてるはず。
会話が下手くそで社交性のないところだって黙認してくれてる。
私がいるといつもその場が固くなるって、リオ君にもいっぱい話してたのに。
「何度も相談したし愚痴だって聞いてくれたのに、忘れてるなんてひどいよ……」
「ちょっと落ち着けって。そんなふうに思うことなんかいっこもないって俺が保証する。羽奈は堂々と胸張ってていい」
「でもみんなから敬遠されてるのは事実なの」
だって学校での私は緊張の塊。
家柄や親の立場を案じるあまりボロは出せない。
周りに気を遣わせてはいけない。
碧葉君のことを好きな女子に不快感を与えてはいけない。両家の恥になる行いはできない。
ずっとそんなものにがんじがらめにされて息をとめて生活していたつもりでも、碧葉君と関わるとやっぱり注目されてしまう。
ハンカチを握り唇を噛み締めた。