無自覚系お姫様は溺れるほどに愛され中
「独占欲って、あんまりよくない感情なんじゃないかな」


「そう? 大事なものを独り占めしたいって思うのは自然なことじゃん」


「そっか。だからみんなにベタベタ触られたリオ君のこと、ぎゅってできそうにないんだ。じゃあ私だけのものに1回戻ってほしいから洗ってもいい?」


「なんだよ、ただの潔癖かよ。ドキドキして損した」



ふて腐れて寝転んだリオ君を連れてまっすぐにバスルームに向かった。


実はリオ君をクリーニングに出して失敗したことがあってからは誰にも触らせず、いつも自分で洗ってたんだ。専用の石鹸をいっぱい泡立てて、ゆっくり時間をかけて洗うの。


「制服は別で洗うね」


「いつもどんなふうに洗ってんの?」


「どうなふうにって、いつもたっぷりの泡で優しく手もみ洗いするだけでしょ。乾燥機にかけたりしないから」


リオ君の服のボタンをひとつ外すと、ひらりと身をかわしなぜか逃げられた。    


「自分でできるから!」


「無理だよ、指のない手で何ができるの?」


じりじりと後ずさり、私と距離を取ろうとしている。


「あれ、もしかして恥ずかしい?」



そう気づいたら、私の中の悪魔が頭をもたげた。いつも振り回されてこっちは毎日クタクタなんだもん。ちょっと困らせちゃおう。


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