影なき化人
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あたかも夏。そろそろ冬季の冷気も失せた4月上旬、1台のアルテオン、4ドアクーペが郡元に向かって疾駆していた。IQDRIVE、先進運転支援システムの支援を受けながら、高崎浩三は漫然とハンドルを握っていた。
助手席には、娘の満里奈が大学のテキストの詰まった鞄を抱えて、何故か沈鬱に座っていた。
高崎は鹿児島県知事に当選してから、はや1年、仕事も充実の中にあった。今日は、近頃の働き過ぎを少し是正しようと、珍しい休みを取っていた。服装は無論スーツだが普段よりは若干カジュアル気味の服だ。
満里奈は鹿児島大学に登校途中で、
あたかも夏。そろそろ冬季の冷気も失せた4月上旬、1台のアルテオン、4ドアクーペが郡元に向かって疾駆していた。IQDRIVE、先進運転支援システムの支援を受けながら、高崎浩三は漫然とハンドルを握っていた。
助手席には、娘の満里奈が大学のテキストの詰まった鞄を抱えて、何故か沈鬱に座っていた。
高崎は鹿児島県知事に当選してから、はや1年、仕事も充実の中にあった。今日は、近頃の働き過ぎを少し是正しようと、珍しい休みを取っていた。服装は無論スーツだが普段よりは若干カジュアル気味の服だ。
満里奈は鹿児島大学に登校途中で、
