普通じゃ満たされない夜

第4話 会うつもりなんてなかった

みつりとのやり取りは、毎日じゃない。

でも、確実に私の中に入り込んできていた。

夜のコンビニ。
帰り道。
ベッドに入る前。

誰にも見せない時間にだけ、彼の言葉は届く。

「今日もちゃんと笑ってたね」

その一言で、背筋がぞくっとした。

なんで分かるの。

その日、私はずっと普通に過ごしていたはずなのに。

ある夜。

「会いたくないなら会わなくていい。
 でも、苦しいなら一度だけ外に出ておいで」

送られてきたのは、バーの住所。

行くわけない。

そう思ったのに。

気づけば私は、その場所の前に立っていた。

扉を開く直前、スマホが震える。

「来たなら、逃げなくていい」

息が浅くなる。

私はそのまま、扉を押した。
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