極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 無駄になるかもしれない。それが分かった上で、彼女は貴重な時間を割いて教え役を担ってくれ……。そこで私は魔法の源――つまり“怒り”のコントロールに勤しむことに。

『魔法の元となる怒りは、確かに自身の心を大きく負の方向に引きずり込む。だが、その扱いを心得れば、反面大きな力を生み出す。シーリ、お前は何に怒る? 記憶を頼りに、内から湧いたそれを感情ではなく純粋な力として感じ取れ。腹の底から噴き出すその衝動は、熱いか、冷たいか? 鈍いか、刺々しいか……色は、形は? それをよりはっきりと頭に浮かべよ』

 魔女流のアンガーマネジメント的なもの――。
 怒りをエネルギーとして認識し、それを元に様々な事象を起こす術、魔法。本来なら、習得には長い時間がかかるのだろう。でも、私の場合はすでにイメージは固まっている……。

 私は、暗いテントの中で揺れる蝋燭の火を見つめながら、意識を落ち着かせた。
 本来のシーリの魔法の元となったのは、おそらく恐怖と悲しみ。生まれついてまもなくたくさんの人からその身を狙われ、故郷や周りが傷つけられていく過程……そして、大切な人と無理やり引き離された経験が、元々母親から受け継いだ彼女の魔法の才をさらに強くした。
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