極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 だが、そこで涼やかな声が、不思議な響きをもって場を凍らせる。

 私の隣から進み出た、その女性は。
 いずこからか呼び出した長杖を床に突くと……一歩ごとに、地面を白く(こご)らせながら相手陣に近づいていった。

「ヴァシリーサ様!」
「いや、いい……陛下もお怒りだ。ここはお任せしよう」

 彼女を守ろうと飛び出すこちらを抑えたのはラエルさんだ。その口元は獰猛な笑みを湛えている。

 その間も私は目を丸くして見ていた。
 彼女に向けて放たれる数々の魔法が、片っ端からその形のまま凍らされ、粉々に崩されてゆくのを。

 そしてその破片は、再び寄り集まって新たな氷の槍となり、次は相手陣にどんどん降り注いでいく。
 ひゃ、百人にも及ぶ魔女の攻撃を完璧に跳ね返してる。
 こ……これが、この魔帝国を束ねる魔女帝の実力なの?

「く、くそ! もっと攻撃の密度を上げろ! でないと――」
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