極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う

1・ただいま極貧孤児生活中でして

「う~……寒い」

 寝覚めの悪い夢を見たのは、きっと今朝がずいぶんと冷え込んだせいだ。
 季節外れの大雪でも降ってないといいけど……目を開くと、ベッドの上で両肩を抱える。

 春は間近だが、毛布と薄っぺらい生成り地のワンピースじゃ、冬の夜を耐えるのはさすがに厳しい。纏わりついた子供たちがいなかったら、無事に越せていたかどうか。

 団子になった同じ境遇の子たちを起こさないよう引き剥がすと、私は冷たい床に爪先を落とす。ひっ――もうその感触だけでベッドの中に引っ込んでしまいたい。修道着を纏うと、ようやく人心地ついて息を吸い込めた。

 そう、ここは教会兼孤児院――親に恵まれなかった子供たちの仮の住まい。
 その一員で最年長の私は、脇の小机にあったいびつな髪留めを取ると、横髪につける。

 元は丸い形だったのだろう。くすんだ半欠けの黒石がついたこれは唯一の私のオシャレ……ではなく。ここに預けられた時にただひとつ着けていた品。

 あの夢を見たからと言う訳じゃないが、哀悼の意を込めて小さく祈った。
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