極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 ――私は、聖女会を退くことにした。

 聖女としての仕事が嫌いになったわけじゃない。
 でも、私自身……与えられた力が自分で扱い切れる範囲を越えたことに気付いてしまったから。

 大きすぎる力は自分も人も狂わせる。そして一旦多くの人が関わる思惑の流れに身を任せると、望まぬことで力を振るう機会も増えるはず。

 だから私は、力の大半をアルベール様とデュリス殿下の奇跡で封印してもらった。

 今の私は、聖女になって一、二ヶ月くらいの頃の……かろうじて自分の身を守れるくらいの力しか使えない。でも……それでいいんだ。

 共和国に危機が迫り、私の大切な人たちが危険な目に遭った時は封印を解いてもらえばいいし……それ以上は、これからの生活にはきっと必要ないもの。

 聖女になった一番の目的――元のシーリの母親との再会は、曲がりなりにも達成できたし。後は自分が望むまま、周りと助け合って自由に生きる。それには、きっと大きすぎる力なんて邪魔なだけ。
< 832 / 840 >

この作品をシェア

pagetop