男装して逃げた先は、生徒会の王子寮でした。
琉「あ、来た!お〜い、凪く〜ん!」
星宮先輩が飛び跳ねながら手を振る。
小走りで近くまで行くと、九条先輩が口を開く。
宗「帰るぞ」
『……はい』
頷いて、彼らの後ろについて歩き始めた。
放課後の校舎は、部活に向かう人たちの声で賑やかだった。
部活へ向かう生徒の声が遠くで弾み、廊下には夕方の光が伸びている。
生徒会の五人の後ろを歩きながら、無意識に袖を握っていた。
一緒に帰っているだけなのに、周囲の視線が痛い。
生徒会と同じ特別寮の特待生。
自分の存在が、必要以上に注目を集めている気がした。
けれど彼らは気にする様子もなく、当たり前のように校門を抜ける。
その背中が、遠く感じる。