恋愛はめんどくさい!
正面に座っている先輩が、俯きながらコーラのストローに口をつける。サラサラの前髪で瞳が隠れる。
私は上目遣いのままアイスティーを一口飲んで、先輩の様子をまじまじと見る。
やっぱりイケメンだなぁ、と思う。
星川先輩は優しい声で話を始めた。
「急に声をかけたのに、来てくれてありがとう、大沼さん」
男性としては物腰の柔らかい口調で、威圧感もあまりない。そんな先輩の印象は、とても良い。
「いえ、大丈夫ですよ」
私の返事の後、先輩はしばらく黙っていたが、やがて意を決したように言った。
「もし迷惑じゃなかったら、今後もこうやって二人で話をしたいんだけど、いいかな?」
予想通りの展開だが、やっぱり動揺してしまう。男子にこんなことを言われたのは、これが初めてだ。
ただ、随分と遠回しな言い方だと思った。私は思い切って、ストレートに聞いてみた。
「これって、要するに『告白』ってことですよね」
落ち着いて話したつもりだったが、思わず声が裏返りそうになる。
「あ……うん。まあ、そうだね。付き合ってほしい……です」
先輩はちょっと慌てたように見えたが、今度ははっきりと明言した。
先輩は同じ社会研究部の二年生だが、部員が多く、普段あまり会話をすることはなかった。
ただ、九月にあった学園祭の出し物の関係で、星川先輩と話をする機会はそこそこ増えていた。だから、それがきっかけになったのかもしれない。
しかし、それにしてもいったい私のどこに惹かれたのだろうか。先輩なら、私よりもっと華やかな女の子の方が似合うだろうに。