恋愛はめんどくさい!
「私に好意を持ってくれたのはとても嬉しいのですが、少し考えさせてもらえませんか」
「もちろん。突然こんなこと言われたらびっくりするよね」
「先輩は、私のどこに惹かれたのでしょうか。理由を聞かせてほしいです」
先輩は少し考えてから、戸惑うように言った。
「具体的にどうというのは、うまく説明できない。でも、部活で知り合ってから、ずっと気になってた」
軽い気持ちではなさそうだが、どこかはぐらかされているようにも感じる。ということは、直接言いにくいことか?
見栄えがパッとしないところとか、地味なところがむしろ好みとか。
容姿が好みというのなら、避けて正解ではある。たぶん、私はそれを素直には喜べないような気がする。
とはいえ、特に断る理由はなかった。私は先輩の申し出を受け入れることにした。
ただし、まずは「お試しのお付き合い」という感じで。
学校内では秘密にしたいというのも、私の希望だった。正直、見た目では釣り合わないと思われるだろう。いろいろ噂されそうで怖い。
SNSの連絡先を交換して、友達リストに追加する。先輩の名前「星川翔太」が、リストに登録された。
こうして、私たちは「お試しのお付き合い」をすることになった。
先輩は自分がイケメンであるという自覚はなさそうだ。だいぶおっとりしている感じもする。
それとも、そう振る舞っているだけなのか。もしそうなら、かなりの策士である。
一瞬、「私は弄ばれているのか?」という思いがよぎったが、さすがにそれはないだろう。
ああ、こんな思考になってしまう自分が悲しい……
確かに、思っていたとおり考えることは増えて、めんどくさいのは事実だった。でも、思っていたよりは楽しいと感じた。
そう思えるということは、私もまんざらではないのかもしれない。