皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
プロローグ
「――これは非公式な皇帝命令による政略結婚だ」


〝運命の伴侶〟からの明確な拒絶。


私を見る紫色の目は氷のように冷たい。


「俺たちの間に恋情など個人的な感情は存在しない」


淡々と告げられた言葉に、心が粉々に砕け散る。

完璧な容貌に浮かぶ嫌悪の表情に、胸がヒリヒリ痛む。

長い指は、私に触れるのを拒否するように強く握りしめられている。


――迷惑で不吉な存在、それが私。


この恋は絶対に叶わないってわかっている。

疎まれているのも知っている。


……だから、大丈夫。

勘違いなんてしない。

もう、夢は見ないから。
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