皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
私の体調が落ち着いた最近は、帰宅後すぐに顔を見に来てくれる。

私が玄関で出迎えたいと訴えたところ、深夜早朝などの時間を除き、体調も良いならばと条件付きで了承してくれた。

律儀なアレン様は通信魔具で帰宅連絡をしてくれるため、出迎える瞬間はそわそわし、毎日の些細な会話は新しい彼を知れるのでとても嬉しくて楽しい。

結婚式は私の体調不良のため延期しようと言われていたが、彼の手厚い看護のおかげで回復も早かったので当初の日程で行う予定だ。

あんなに気が重かったはずの結婚式が、今では負担に感じない。

むしろ公的に彼の傍にいられる証明を得られるのが嬉しくさえある。

カナック伯爵家が用意してくれたウエディングドレスに身を包み、ヴェールをおろす。

アレン様にふたりのとき、ヴェールは不要と言われたので最近はあまり使っていなかった。

結婚式のヴェールは普段のものとは違うが、久し振りの遮られた視界が少々懐かしい。

用意を終え、玄関先で待つ彼の下へ向かう。

メアリは準備の最中ずっと涙ぐみ、ケティとともに祝福してくれていた。

一階へおりようと手すりに手をかけたとき、階下に立っていたアレン様が視界に映った。

魔術騎士団の正装用の黒の軍服が引きしまった長身をさらに際立たせている。

凜とした佇まいに長めの前髪を分けて結わえた髪、端整な面差しすべてが目を引く。

思わず見惚れ、足を止めた私に気づいた彼が目を見開く。

そしてふわりと相好を崩し、階段を駆け上がってきた。
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