皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
「魔術騎士団長!」


背後から大声で呼ばれ、振り返れば騎士団の面々が魔湖の水際に揃っていた。

状況を伝えたところ、彼らも躊躇いなく水中に潜り、キラナの捜索をしてくれた。

驚くことにその中にはグリナダ王国騎士団長たちもいた。

どれほど時間が過ぎたのかわからない。

皆がずぶ濡れになり、日が傾き始めたがキラナは見つからなかった。

日が沈めば、魔獣が増える。

さらにここは魔湖だ、危険極まりない。

一刻も早く離れなければならないのはわかっているが、どうしてもキラナをあきらめられない。

でも、俺は部下たちの命をみすみす危険にさらせない。

しかも夜は気温が下がるうえ、負傷者もいる。

俺たちと同じように潜り、周囲を捜索していたイスズが泣き出しそうな顔で俺の名を呼んだ。


「アレン……」


グッと唇を噛みしめる。


「全員、捜索をやめて……陸に上がってくれ」


出した声は掠れていた。

頬を伝う滴がやけに冷たく感じる。

心が引きちぎれそうだった。

あきらめたくない、あきらめるつもりはまったくない。

俺のすべてをかけても、なにを犠牲にしても絶対に見つける。

キラナをひとりにはしない。

誓ったんだ、誰よりも守ると。

彼女は俺の、たったひとりの、かけがえのない女性なんだ。

拳を握りしめ、目の前の魔湖を見つめる。
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