皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
そのとき、グリナダ王国騎士団長に声をかけられた。

目の前に縛られた男たちが座り込んでいる。


「こいつらは恐らくうちの刺客だ。王太后付きのな」


苦虫を噛み潰したような表情で、グリナダ王国騎士団長がボソリと告げる。

過去に一度だけ王太后の命令を密かに受けているところを見かけた記憶があるらしい。


「同盟国との引き渡しにこんな真似をするとは……王太后はどこまで腐っているのか」


吐き捨てるように口にし、グリナダ王国騎士団長は剣を置き、地面に膝をつき、頭を垂れた。

彼の姿にグリナダ王国の騎士たちも同様に武器を手放し膝をつく。


「信じてもらえないだろうと思うが、俺たちは王太后の企みはまったく知らなかった。メリハ族の姫君を傷つけた恥知らずの王女を手厚く送ってくれた貴殿たちを襲った挙げ句、メリハ族の姫までも攻撃するなどと……到底許される話ではない」


低い声は苦渋に満ちており、膝の上で握った拳は震えていた。


「メリハ族の姫は我々にあれほど親切にしてくださったのに……お詫びのしようもない」


真摯な声に、彼らが無関係であり、グリナダ王国の中でミクス殿下の調査どおり内紛が起こっている裏付けが、皮肉にも取れてしまった。


「我々はどんな処遇も受ける覚悟だ。知っている事柄もすべて話す」


グリナダ王国騎士団長の発言に、背後に控える騎士団の部下たちは一瞬息をのんだ様子だったが、誰ひとり異を唱えずうなずいていた。
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