皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
「痛みはないのか? 立っていてはダメだ。どこかに……!」


「アレン様、落ち着いてください。心配をおかけしてごめんなさい。どこも怪我はしていませんし、私は無傷です」


「ありえない、攻撃を受けあの高さから落ちたのに? なぜ、濡れていない? いや、それより今までどこに……!」


「アレン様こそこんなに濡れて……もしかして私を捜して魔湖に……?」


キラナがもう片方の手で私の制服や髪に触れる。

さりげない仕草すべてが愛しく大切で、胸が詰まる。


「当たり前だ! キラナを失ったらと思って……怖かっただろう、本当に悪かった。助けてくれてありがとう」


「いいえ、アレン様はお怪我はありませんか?」


「キラナが助けてくれたおかげで無傷だ……本当にありがとう」


俺の言葉にふわりと微笑む。

いつもの優しい表情に想いがあふれ出す。

そして先ほどまで感じていた恐怖を思い出し、再びキラナを強く抱きしめた。


「……もう、会えないかと思った……あんな思い、恐怖は二度と味わいたくない。キラナがいなければ俺は生きていけない。幸せになんて絶対になれない。頼むからあんな無茶はもうしないでほしい」


キラナがここにいるのを確かめるように、髪に触れる。

キラナで頭がいっぱいで、自身を乾かすことなど忘れていた。

そして額、瞼、頬、こめかみと順に唇で触れる。

伝わる温もりと感触に彼女の生存を感じ、凍りついていた心がやっと動き出す。
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