皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
「初めて会ったときは、綺麗な銀の髪と目に見惚れた。誰かに出会って心が震えたのは初めての経験だった。初めて言葉を交わした日からずっと俺はキラナに心を奪われている」


恋情と情炎の滲む眼差しに心がざわめく。


「だから俺は砦で出会ったから運命に縛られたんじゃない。キラナの声を聞いたときからずっと運命の恋に落ち続けているんだ。そしてそれは俺が自ら選び取った、なにより望む幸せだ」


躊躇いなく諭すように告げる声が耳に届く。

優しい指先と眼差しに胸がいっぱいになって、心の奥が甘い痛みに襲われ、こみ上げる愛しさに占拠される。

視界が滲んで、頬を涙が伝う。


「泣かないで」


あやすような声に想いがはじける。

目の前の広い胸に飛び込んだ私を彼はしっかり受けとめてくれる。

伝わる速い鼓動と温もりがなによりも愛しくて涙が止まらない。


「……私、は運命だから選ばれただけで、いつかアレン様に嫌われたり、アレン様が本気で愛する人を見つけたりしたらどうしようって怖くてたまらなかった。運命を強制した私はなにも言えないけれど、どうしてもあきらめられなくて……今もずっと愛しています」


「俺もキラナだけを愛している」


私の涙を骨張った指で拭いながら、耳元で言い聞かせるようにささやく。


「この想いは絶対に変わらない自信がある。恋を知らなかった俺にこんなにも誰かを愛しく想う気持ちを教えてくれたのはキラナだけだ。不安になったら何度でも伝える。俺の方こそまた今日のようにキラナを失ったらと考えれば怖くてたまらない」


「私は絶対にアレン様をひとりにはしません。ずっと一緒にいます」


「じゃあ今夜はずっと傍にいよう」


そう言って、彼は少し屈んで私を横抱きにする。
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