皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
「お許しください。結婚式まで部屋におります。申し訳ございませんでした」


メアリの前に立ち、頭を下げる。

彼の魔力は基本的に私には害をなさない。

程なくしてギルハンが現れ、状況を察したのか、仕事の話をアレン様に告げてふたりで引き上げて行った。


「メアリ、大丈夫? 私のせいでごめんなさい」


「お嬢様のせいではありません。お庇いできず申し訳ございません。ですがこのままではお体が……」


心配するメアリに小さく首を横に振る。

ここでは誰に聞かれるかわからない。

部屋に戻ろうと促し、顔色が悪いままのメアリを支える。

自室に戻ったとき、ギルハンから報告を受けたのか、ケティがやってきたので簡単に事情を話して薬を渡し、しきりに遠慮するメアリを休ませてほしいと告げた。

その後しばらくして、もう一度ケティがギルハンやほかの侍従とともに部屋にやってきた。


「お持ちの薬、材料類をすべて渡すようにとアレン様からのご命令です」


淡々としたギルハンの声からは感情も考えも読み取れない。

ケティはどこか申し訳なさそうな表情を浮かべている。


「私が薬師なのは以前からご存知のはずです。なぜアレン様は急に疑われるのですか? 没収した薬をどうするつもりでしょうか?」


「お嬢様がどんなものを調合し、利用しているか知るためだそうです。プラント公爵家からのメリハ族研究協力のひとつとしか伺っていません。調査終了次第戻されるそうですし、以前から決まっていたそうです」


尋ねた私にギルハンが冷たく言い放つ。
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