空に預けた恋を誓う〜エリートパイロットは約束の幼馴染を一途に愛しぬく〜
涙を溜めた拓翔の真剣な瞳が、仄香の泣き顔をまっすぐ見つめていた。その約束の言葉は、痛みに沈みかけていた心に小さな灯をくれた。
仄香も同じ花を摘み、指輪を作った。二人でそれを贈り合い、左手を掲げる。空には飛行機雲の走る澄んだ青が広がり、柔らかな光に包まれた景色のすべてが、その瞬間の記憶として焼き付いた。
あれから何年も経っているのに、その光景は今も鮮明に浮かぶ。指輪の感触も、拓翔の笑顔の温もりも、あの日見上げた青空の高さまでも、ありありと思い出せる。
それは誰にも奪われない、仄香にとってたったひとつの支え。どんな孤独や圧迫の中にあっても忘れることのない、彼との約束の記憶だった。
(だから――)
夢を叶えた拓翔に再び会えることを信じて。少しでも彼の世界に近い場所で、自分も生きていたい。
高卒の自分でも現実的に働ける場所として選んだのが、空港に一番近い旅行代理店だった。
業務の合間に窓の外を見上げると、飛行機が空高く飛び立っていくのが見える。轟音を響かせながら遠ざかっていくその姿は、仄香にとって小さな希望だった。
大空へ向かう飛行機は、拓翔が夢を追いかけている証のように思える。それ感じるだけで、重く沈んでいた心が少しだけ軽くなる。
どんなに現実が冷たくても、この光景を目にするときだけは、わずかな幸せを感じられるのだった。