空に預けた恋を誓う〜エリートパイロットは約束の幼馴染を一途に愛しぬく〜
かつては自信に満ち、常に中心にいた姉の面影はそこにはなかった。拓翔がさらに画面を滑らせれば、里穂のSNSも激しく炎上しているのが一目で分かった。
次々と流れてくる容赦のない反応に、仄香は言葉を失った。
「……」
何を言っていいか分からないまま画面を見つめていると、拓翔は興味を失ったようにそれを消した。
「あの女には、いい薬になっただろ」
吐き捨てるような声音に、同情の色は一切ない。
拓翔はそのままスマートフォンをサイドテーブルへと放り出し、何事もなかったかのように仄香の肩を引き寄せた。
「……仄香」
呼びかける声は、先ほどまでとは別人のようにやわらかい。
顎に指をかけられ、自然と顔が上を向く。
「君の笑顔は、これからも俺が守る。必ず幸せにするって誓うよ」
低く、蕩けるような囁きが耳朶を打つ。
「だから……ずっと、俺のそばで笑っててくれ」
低く囁かれた言葉と同時に、唇が重なった。
(……拓ちゃん。ほんとうに、ありがとう)
溢れそうになる想いをそのままに、仄香は彼の首へと腕を回す。それに応えるように、拓翔はさらに深く口づけを重ねた。絡め取るようなキスが、静かにすべてを塗り替えていく。
窓の外に広がる夜景の光が、二人だけの閉じた世界をやわらかく照らしていた。
そのまま彼の腕の中へと身を委ね、過去を断ち切った痛みさえ、彼のぬくもりに溶かされていった。