10年越しの溺愛——御曹司は私を逃さない
見下ろしてくるその目は、まるで獲物を捕らえたみたいに鋭くて、逃げることを許さない光を宿している。
その目を最初は怖いと思っていたはずなのに――今はもう恐怖よりも欲望のほうが勝ってしまう。
その視線に射抜かれるたびに、胸の奥が熱い。
こんなふうに見られると、思ってしまう。もっと、欲しい。もっと、触れてほしい。愛されたい。乱されたい。
それでもまだ理性がある私は、思わず視線を逸らす。
「目、逸らすな」
「…っ、だって」
「今更、逃がすわけないだろ」
「…っ、」
「歯、食いしばれよ」
不敵に笑うその顔は、どこまでも余裕で、どこまでも本気で。抗う隙なんて、一欠片も残されていない。
逃げられない。逃げたくない。
そんな矛盾した想いを抱えたまま、私はただ蒼さんを見つめることしかできなかった。
この人から、もう逃げることなんてできない。
きっとこれから先もずっと――どこまでも深く、絡め取られていくんだ。