気がついたら天才心臓外科医と婚約していました
「あーあ。あんないい女を逃がして。せっかく俺がこうやって出会いの場を提供してやってるのに、ほんと残念な男だな。広大君は。」
振り向くと、中学時代からの友人である小沢総一郎が、呆れた顔で俺を眺めながら腕を組んでいた。
「見てたのか。」
「ああ。一部始終をな。彼女、やり手だな。『LOVE×3』のエースカウンセラー、保土ケ谷都、か。」
総一郎が俺の手元にある名刺を覗き込んだ。
「その結婚相談所、有名なのか?」
俺の言葉に総一郎は驚いた顔をした。
「おまえ、知らないのかよ。業界最大手だぞ。テレビでCMも流れているしな。まあ、仕方がないか。波川広大といえば波川総合病院御曹司、かつ天才心臓外科医だもんな。オペの予約で忙しくて、テレビなんか観てる暇ないよな。」
「人を世間知らずみたいに言うな。」
「都ちゃんは俺達のライバルか。」
総一郎はこの婚活パーティを主催する『ラブパッション社』の代表取締役だ。