気がついたら天才心臓外科医と婚約していました

「表情が硬いです。ちょっと失礼。」

保土ケ谷都は、おもむろに俺の脇の下をくすぐり始めた。

「ちょっ・・・やめっ・・・あははははっ」

やめろ。脇の下は。昔からそこだけは俺の弱点なんだ。

そうしているうちに保土ケ谷都は、俺と肩を寄せ合い、スマホを前に掲げた。

「ハイ、チーズ。」

こうして無理矢理、謎のツーショット写真を撮られてしまった。

「ありがとうございました。これでなんとかなりそうです。では今度こそ、さようなら。」

「あ、おい。ちょっと待て。」

しかし保土ケ谷都は俺の制止を無視し、コツコツとハイヒールの音を響かせて去って行った。

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