カーテンコールはまだ鳴らない。
第二章 進む道
そうして時間が経ち、⽇が沈む頃。
⾼瀬侑玖は、繁華街の外れにある雑居ビルの⼀室にいた。
古びたソファにだらしなく腰を落とし、天井を⾒上げたまま、
ゆっくりと煙を吐く。
アメリカンスピリットの独特な匂いが、部屋に滞留していた。
「……はぁ」
思わず漏れた溜息に、⾃分で苦笑する。
――まさか、あんなところで会うとは。
昼間の喫煙所。
コンビニの裏⼿。
響華の顔を⾒た瞬間、⼼臓が⼀拍、完全に遅れた。