カーテンコールはまだ鳴らない。
(変わってねぇなぁ……)
無愛想そうな顔も、落ち着いた仕草も。
⼤⼈になって、ちゃんと“正しい側”に⽴ってる感じも。
それが、少しだけ眩しかった。
侑玖はすっかり短くなった煙草を灰⽫に押し付け、ポケットから
銀細⼯のオイルライターを取り出す。
若頭補佐にもらった、⼤事な物だ。
カチリ、と蓋を開ける⾳が、やけに⼤きく響いた。
「……会わないつもりだったのになぁ」
独り⾔のつもりだった。