カーテンコールはまだ鳴らない。
「今⽇の店、俺チョイスでい?」
侑玖が前を向いたまま、何気ない調⼦で⼝を開く。
「美味いとこ知ってんだ〜」
「……は?」
思わず⾜を⽌めると、侑玖は振り返って、にやっと笑った。
「ほら、久々だし?
せっかくならちゃんとしたとこ⾏きたくね?」
「新宿で“ちゃんとしたとこ”って⾔うと、⼤体怪しいんだけど」
「ひっでぇ信⽤のなさ!」
⼤袈裟に胸を押さえながらも、侑玖はくるりと踵を返し、歩き出す。
「ついて来いって。マジで美味いから」
「はいはい」
半信半疑のまま後ろをついて⾏く。