カーテンコールはまだ鳴らない。
喫煙所は、コンビニの裏⼿に回ったところにある。
喫煙所へ向かいながら、財布をポケットに仕舞い、代わりに胸ポケット
から使い捨てのライターを取り出す。
そして⾓を曲がった、その瞬間だった。
視界の端に、タバコを吸う誰かの姿が⼊り込む。
――珍しい。
いつもこの喫煙所は、ほとんど誰もいないのに。
そんなことを思いながら、何気なく顔を上げた、その瞬間。
響華は、ぴたりと動きを⽌めた。