カーテンコールはまだ鳴らない。
結局、それからさらに⼀時間が経ち、時計の針は深夜⼆時を
指していた。
「……さすがに、そろそろ帰ろうか」
響華がそう切り出すと、侑玖は⼀瞬だけ名残惜しそうな顔をしてから、
「だなぁ……明⽇死ぬわ、これ」
と苦笑して頷いた。
⼆⼈はテーブルの上に散らばったグラスや⼩⽫を⾒渡しながら、
「飲みすぎ」「頼みすぎ」などと軽⼝を叩きつつ、荷物をまとめる。
響華はバッグを肩にかけながら、伝票を⼿に取った。
「じゃ、割り勘ね。私いくら――」
そこまで⾔った瞬間だった。