カーテンコールはまだ鳴らない。
「はいはい、ストーップ」
侑玖がひょいっと伝票を取り上げる。
「今⽇は俺が奢るって決めてんの」
「は? 何⾔って――」
反射的に⾔い返そうとした響華を置いて、
侑玖はさっさと席を⽴ち、そのままレジへ向かっていく。
「ちょ、待ちなさいって!」
慌てて後を追おうとするが、すでに侑玖はレジ前で店員と話していた。
「全部まとめて、これでお願いします」
慣れた様⼦で財布を取り出す侑玖の背中を⾒ながら、
響華は思わず⽴ち⽌まる。
……昔からそうだ。
こうと決めたら、⼈の話を聞かない。