カーテンコールはまだ鳴らない。
ただ、少しだけ言葉を飲み込んで、静かに息を吐いた。
「……そっか。」
しばらく沈黙が続く。
「じゃあ、がっかりしたでしょ。」
響華は苦笑いを浮かべながら、カフェオレを一気に飲み干した。
グラスをテーブルに戻すと、ふぅ、と一息ついて、蓮の方へ
目を向ける。
少し冗談めかして言ったつもりだったが、なんだか自分でも言葉が
重く感じてしまう。
「犯罪者を断罪するどころか、関わることすら無くて、
デスクワークばっかだもんね。」
彼女の言葉には、ほんの少しの呆れと、それに混じる自嘲が含まれていた。
仕事に対するモヤモヤが、少しずつ顔を出していたのだろう。
警察に入って、思い描いていた仕事とのギャップにしばらく悩んでいた
自分が本来持っていた信念を、まるで蓮が代弁してくれたような気がしていた。