極上パイロットの一途な執愛
「も、もしかして、二重人格?」
「そんなわけないだろ」
「じゃ、じゃあ、いったい……」

 戸惑う私を見て、蒼真さんは苦笑しながら口を開いた。

「今までは、完璧な男を演じてまわりの人を騙していただけだよ」

 その言葉に目を丸くする。

「いつもの王子様のような言動は、全部嘘だったってことですか!?」
「あぁ。つねに穏やかで誰にでも優しい王子様なんて、いるわけないだろ」

 そう言う彼の顔に浮かんでいるのは、いつもの上品な微笑みではなく、皮肉っぽくて意地悪な表情。

「な、なんでそんなことをっ?」
「面倒だから」
「面倒……?」
「この顔と生まれた環境のせいで、小さな頃から注目されて妬まれてきた。いちいち相手にするよりも、誰にも文句を言わせないくらい完璧な存在になったほうが手っ取り早いと気付いた。だからずっと、みんなが憧れる品行方正な人物を演じてきたんだ」

 ということは、いつもの王子様のようなキャラは作られたもので、こっちが蒼真さんの素なんだ……。

 信じられずにいる私に、蒼真さんが一歩近づいた。

「本当の俺を知って、幻滅した?」

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