極上パイロットの一途な執愛
 リアルなキスや愛撫は、漫画を読んで想像していたよりもずっとずっといやらしくて気持ちよくて、どうしていいのかわからなくなった。

 あのときは必死に抵抗しなんとか帰ってもらったけど、あれ以来私の頭の中は蒼真さんのことでいっぱいだった。

 漫画を読んでいるときのときめきとは違う鼓動の高鳴り。気を抜くとなにも手につかなくなるくらい、彼のことばかり考えてしまう。

 こんなの生まれて初めてで、たちの悪い病気にかかったみたいだ。

 だけど今は仕事中。しっかり集中しないとと自分に言い聞かせる。

 今日私が担当しているのはアジア便。気象データを確認しながら、フライトプランを作成する。

「あれ」

 データの確認中に手を止めると、中井さんが「どうかしました?」と私を見た。

「シンガポール便の貨物の重量が、少なすぎる気がして……」
「そうですか?」
「念のため、現地に確認してもらっていいですか?」

 飛行機の重量の誤りは安全性に直結するし、燃料の搭載量も変わる。些細なことでも見過ごすわけにはいかない。

 すぐに中井さんが、現地の空港スタッフに電話をかけて確認してくれた。

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