極上パイロットの一途な執愛
 蒼真さんにそう言われ、はっと我に返った。慌てて首を横に振る。

「いや、それは無理ですっ」
「どうして?」
「だって、職場につけていくわけにはいかないじゃないですか!」
「結婚指輪の着用は禁止されてない」
「そういうことじゃなくて! 結婚相手は誰だって詮索されたら困ります」
「それならいっそ、俺たちは夫婦だって宣言しようか」
「絶対だめです!」

 全力で否定すると、蒼真さんは不満そうな顔をした。

 私たちは離婚しなきゃならないのに……。蒼真さんがなにを考えているのかわからなくて困惑してしまう。

「そうだ。もうひとつプレゼントがある」

 思い出したように言われ顔を上げると、蒼真さんは「ついておいで」と歩きだす。

 なんだろうと思いながら彼のあとを追いかける。到着したのは私の部屋。

 蒼真さんがドアを開けた。戸惑いながら部屋の中を見た私は思わず息をのむ。

「これ……!」

 そこには、部屋一面を覆うような大きな本棚が設置されていた。

「愛里がよろこぶかなと思って用意した」

 その言葉を聞きながら、本棚に近づく。天井近くまである本棚。いったい何冊の本を収納できるだろう。
< 141 / 163 >

この作品をシェア

pagetop