極上パイロットの一途な執愛
「しかも、スライド式になってる……っ!」
前面だけではなく奥にも本を並べられる、夢のような本棚。これがあれば、身を切るような思いで実家に置いてきた本たちを綺麗に収納してあげられる。
「蒼真さん、うれしいです! ありがとうございます……っ!」
感激しながらお礼を言うと、蒼真さんは「指輪より本棚のほうがよろこばれるとは思わなかった」と複雑そうな顔をした。
私は離婚する気満々だったのに、強引すぎる蒼真さんの策略で半ば強制的に再開した結婚生活。
蒼真さんは品行方正な王子様の仮面を被るのを止め、私は少女漫画と妄想癖という趣味を隠さなくてよくなったこともあり、私たちの関係は以前とはかなり変わった。
「蒼真さん。そろそろ行きますね」
身支度を終えた私が声をかけると、蒼真さんが「俺ももうすぐ出るから一緒に乗っていけばいい」と言う。
「無理に決まってるじゃないですか」
「どうして? 電車より楽だろ」
「楽ですけど、そのあと職場が大騒ぎになりますから」