極上パイロットの一途な執愛
 テキストを閉じ、部屋を出る。
 リビングに向かうと、そこには信じられない人物が座っていた。

「え……っ」

 パイロットの制服ではなく、私服姿でリビングのソファに腰かけていたのは、朝比奈副機長だった。

 シンプルだけど質のよさそうなセーターにジーンズ。整った顔立ちとすらりとした長身もあって、自然体なのにファッション誌から抜け出してきたみたいにかっこいい。

「愛里、座りなさい」

 ソファに座るようにうながされ、戸惑いながらも彼の向かいに腰を下ろした。
 そんな私を見て、朝比奈副機長がにこりと笑う。

 我が家のリビングに全女性社員の憧れの王子様がいるなんて、信じられない光景だ。

「パイロットの朝比奈くんだ」

 父から紹介され、「おひさしぶりです。以前はありがとうございました」と頭を下げる。

「おや、愛里と朝比奈くんは面識があるのかい?」
「私がカウンター業務をしていたとき、お怒りのお客様から庇ってもらったことがあって……」

 私が説明すると、朝比奈副機長は穏やかに首を横に振った。

「理不尽なクレームから仲間を守るのは当然だから」

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