極上パイロットの一途な執愛
「現状、愛里は自宅の住所を誰にも教えていないんだよね?」
「そうですが……」
「万が一なにかあったときに心配だから、住んでいる場所はきちんと把握しておきたい」

 そんな正論を言われてしまうと、断る理由が見つからない。
 渋々住所を口にすると、蒼真さんは運転手さんに私の自宅に向かうようにお願いした。

「そういえば蒼真さん。離婚届は提出してくれましたか? 私のほうでも氏名変更とかいろいろ手続きをしないといけないので……」

 私がおずおずとたずねると、蒼真さんは「離婚届なんて、出すわけがない」と即答した。

「え、どうしてですか? タイムリミットの一年は過ぎたのに」
「そう。ようやく一年が経った」
「だったらどうして……」

 困惑する私を見て、彼は息を吐き出した。

「結婚記念日の夜に話したいことがあるって言っておいたのに、離婚届だけを残して出ていかれるなんて思ってなかった」

 蒼真さんに静かな口調で言われ、ものすごく居心地が悪くなる。

「挨拶もせずに家を出たことは、すみませんでした。でも、それが一番気を使わせない方法かなと思って」
「気を使わせない?」
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