極上パイロットの一途な執愛



 一年前。

 断られるだろうと思っていた蒼真さんとの結婚はなぜか順調に進み、私は蒼真さんのご両親に挨拶に行かせてもらうことになった。

 御曹司という話を聞いていたから覚悟はしていたけれど、ご実家は想像以上に立派だった。

 大きな門をくぐると、目に飛び込んできたのは芝生が美しい広々としたお庭。そしてその奥にあるのは、邸宅と呼びたくなるようなおしゃれでモダンな建物だった。

 大手企業の経営者のお父様と、サロンを経営しているお母様。ふたりとも上品だけどとても気さくで、緊張する私を温かく歓迎してくれた。

「本当は、蒼真には私の会社を継いでほしかったんだけどね」

 挨拶をすませたあとダイニングテーブルを囲み、お茶をいただきながら話をしていると、お父様がそんな言葉をもらした。

 お父様の本音に、カップを持つ手が止まる。

「蒼真さんがパイロットになることに反対されていたんですね」

 せっかく作り上げた大きな会社を、息子に継いでもらいたいと思うのは当然なんだろうけど……。

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