極上パイロットの一途な執愛
 出てきたのは、お隣に住む奥村さん。彼はアパートの前にいた蒼真さんと私を見て、驚いたように足を止めた。

「どうかしたんですか?」

 心配そうな顔でこちらを見る彼に、「なんでもないです」と首を横に振る。

 私は蒼真さんを振り返ることなく、自分の部屋に向かった。

 背を向けたままなのに、ドアの前でバッグからカギを取り出す私を、蒼真さんがじっと見ているのがわかった。彼の視線が肌に突き刺さる。

 それでもなんとかカギを差し込みドアを開くと、「愛里」と名前を呼ばれた。

 思わず動きを止め振り返ると、蒼真さんは私を見つめていた。

「また来るよ」

 その声には愛情が込められているような気がして、ドアノブを握る手が震えた。

 必死に平静を装い、部屋の中に入る。バタンとドアが閉まる音を聞いて、体から力が抜けた。

「蒼真さんのバカ……」

 しゃがみ込み、小さくつぶやく。

 私のことを愛してくれないなら、冷たく突き放してくれればいいのに……。
 彼がなにを考えているのかわからなくて、胸が苦しくなった。




◇◇◇

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