極上パイロットの一途な執愛
「あ、すみません。お風呂上がりで暑かったので……」

 まだ火照ったままの頬を、ぱたぱたと手で仰ぎながら謝る。

 普段は長袖のパジャマを着ているけれど、最近暖かくなってきたのもあり、ショートパンツとオーバーサイズのTシャツという楽な部屋着を選んだんだけど、少しだらしなかっただろうか。

「髪も、ちゃんと乾かしてないね」

 鋭い指摘に「う」とつぶやきながら、自分のうなじに手を当てる。首もとに落ちるおくれ毛は、まだ湿っていた。

 ドライヤーをかけるのが面倒で、半乾きのままひとつにまとめていたことを見抜かれてしまったようだ。

「ちゃんと髪を乾かしておいで」

 優しい言葉に「はい」とうなずき、洗面所へ向かう。しっかりと髪を乾かしてからリビングに戻ると、ぶるりと体が震えた。

「蒼真さん。エアコンの温度下げました?」

 私の問いかけに、蒼真さんは「いや。なにもしてないよ」と首を横に振る。

「なんだか部屋が寒くなった気がして……」
「湯冷めして体温が下がったんじゃないかな。そんな薄着じゃなくて、しっかりパジャマを着ておいで」

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