極上パイロットの一途な執愛
 肩幅のある男らしい長身に、浴衣の襟もとからのぞく色っぽい首筋。湯上りで湿った艶のある髪と、わずかに上気した頬――。

 そんな姿を想像した私は思わず、色っぽすぎて反則なんですけど……!と叫びそうになった。

 温泉旅行は漫画の中によく出てくる定番エピソードだ。
 相手の浴衣姿を見てときめいたり、並んで敷かれたお布団にドキドキしたり、恥じらいながら部屋付きの露天風呂に入ったり、そして最終的に……。

 今まで幾度となく漫画で読んできた、温泉でいちゃいちゃするシーンが頭に浮かび、頬から火が出そうなほど熱くなる。

「どうかした?」

 黙り込んだ私に、蒼真さんが不思議そうにたずねる。
 私は「なんでもないです」と必死に平静を装った。

 蒼真さんの浴衣姿を想像してドキドキしていました、なんて言えるわけがない。
 深呼吸をして気持ちを落ち着けながら、「そうだ」と思いついて顔を上げる。

「蒼真さんのご実家に行きたいです」
「俺の実家?」
「はい。またレオに会いたいなと思って」

 結婚前に挨拶に行かせてもらってから、すっかりレオのかわいさに夢中になってしまっていた。

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