社長、その溺愛は計算外です
映画が終わった後、圭佑さんは私の手を引いてエレベーターに乗った。
「次は、どこに?」
「屋上」
最上階で扉が開くと、東京の夜景が目の前に広がった。
無数のビルの明かり、クリスマスのイルミネーション。宝石箱をひっくり返したような光景だった。
そして、空から白いものが舞い始めた。
「雪……」
思わず手を伸ばすと、小さな雪の結晶が掌に触れ、すぐに溶けた。
「ホワイトクリスマスだね」
圭佑さんが目を細めた。
「梓、こっちに来て」
圭佑さんが、私の手を引いた。
展望台の一角。そこには、美しいイルミネーションで飾られた小さなスペースがあった。
小さなテーブルに、赤いバラの花束。キャンドルの優しい光が揺れている。
「これ……」
「君のために、用意した」
私が言葉を失っていると、圭佑さんが私の前に片膝をついた。
「え……」
周りにいたカップルたちが、こちらに注目し始める。
「新谷梓さん」
圭佑さんの手には、美しいダイヤモンドの指輪が光っていた。
「俺と、結婚してください」