社長、その溺愛は計算外です
彼の言葉に、鼻の奥がツンとなった。
「この指輪は、君だけのために作った。中央のダイヤモンドの周りに、小さな青いサファイアを配した」
「青いサファイア……」
「青は、君の好きな色だから」
圭佑さんが、ふわりと微笑む。
「サファイアは『誠実』を意味する。俺は、君に誓う。生涯、誠実に愛し続けると」
目の奥が、じわりと熱くなる。
こんな瞬間が来るなんて、婚活パーティーのあの夜には、想像もしていなかった。
「君の真面目すぎるところも、不器用なところも、俺の前だけでは弱くなれるところも──全部ひっくるめて、ずっと隣で見ていたい」
彼が、私を真っ直ぐ見た。
「俺の妻になってください」
「はい……はい、喜んで」
圭佑さんが、私の左手の薬指に指輪をはめてくれた。
その瞬間、周りから大きな拍手が起こった。見知らぬカップルたちが、私たちを祝福してくれている。
「おめでとう!」
そんな声が、あちこちから聞こえてくる。
圭佑さんが立ち上がって、私を抱きしめた。
「ありがとう、梓」
「こちらこそ……ありがとうございます」
彼の胸に顔を埋めたまま、私はしばらく動けなかった。