恋愛百景
第5話「片思いの衝突」
次の日の放課後、空気はどこかぎこちなかった。
亮太と柚木は、いつも通り隣にいるはずなのに、会話が少ない。
「……昨日のさ」
先に口を開いたのは亮太だった。
柚木は少しだけ視線を上げる。
「なんか、断り方、変だったろ」
柚木の動きが止まる。
「別に」
短い返事。
亮太は少しだけ眉をひそめる。
「別にって何だよ」
柚木は視線を逸らす。
「普通に断っただけ」
「でもさ、なんか……理由ない感じだったじゃん」
その言葉に、柚木の表情がわずかに変わる。
「亮太には関係ないでしょ」
一瞬、空気が固まった。
亮太は言葉を失う。
「関係ないって……」
柚木は少しだけ強い声で続ける。
「ただ断っただけのことに、そんなに聞く必要ある?」
亮太の胸の中で、何かが引っかかる。
「いや、だって……いつもみたいに帰ってたら普通じゃん」
柚木は少しだけ目を細める。
「普通って何?」
その一言が、鋭く刺さる。
亮太は言い返せないまま黙る。
柚木はそのままカバンを持ち上げる。
「もういい」
そう言って、教室を出ていった。
残された亮太は、その場に立ち尽くす。
夕日が机の上に落ちている。
(なんで、こんなことになってんだよ)
ただの帰り道だったはずなのに。
ただ隣にいるだけだったはずなのに。
亮太はゆっくりとカバンを持ち直し、教室を出る。
廊下の先には、もう柚木の姿はなかった。
——片思いは、初めて“すれ違い”に形を変えた。
次の日の放課後、空気はどこかぎこちなかった。
亮太と柚木は、いつも通り隣にいるはずなのに、会話が少ない。
「……昨日のさ」
先に口を開いたのは亮太だった。
柚木は少しだけ視線を上げる。
「なんか、断り方、変だったろ」
柚木の動きが止まる。
「別に」
短い返事。
亮太は少しだけ眉をひそめる。
「別にって何だよ」
柚木は視線を逸らす。
「普通に断っただけ」
「でもさ、なんか……理由ない感じだったじゃん」
その言葉に、柚木の表情がわずかに変わる。
「亮太には関係ないでしょ」
一瞬、空気が固まった。
亮太は言葉を失う。
「関係ないって……」
柚木は少しだけ強い声で続ける。
「ただ断っただけのことに、そんなに聞く必要ある?」
亮太の胸の中で、何かが引っかかる。
「いや、だって……いつもみたいに帰ってたら普通じゃん」
柚木は少しだけ目を細める。
「普通って何?」
その一言が、鋭く刺さる。
亮太は言い返せないまま黙る。
柚木はそのままカバンを持ち上げる。
「もういい」
そう言って、教室を出ていった。
残された亮太は、その場に立ち尽くす。
夕日が机の上に落ちている。
(なんで、こんなことになってんだよ)
ただの帰り道だったはずなのに。
ただ隣にいるだけだったはずなのに。
亮太はゆっくりとカバンを持ち直し、教室を出る。
廊下の先には、もう柚木の姿はなかった。
——片思いは、初めて“すれ違い”に形を変えた。