Incomplete -この世界にいない君に、恋をした-


「ここ、どこ……」


夢の中?

でも、こんなに意識がはっきりしている。

思わず漏れた声も、少し遠くに響いた。


背後で微かな音がして、ゆっくりと振り返る。
人の気配を、直感的に感じた。


「お前誰?どこから来た?」


低い声が頭上から落ちてきて、ビクッと肩が揺れる。

綺麗な、男性。

なぜか目が離せない。

日本人離れした、整った顔。
透き通ったビー玉のような瞳は、鋭く私を睨んでいた。

金髪のような明るい髪。

透き通った白い肌。


食い入るように見つめてしまっていた私は、質問されている事など、すっかり忘れてしまっていた。


ゲームの世界に居そう、なんて呑気な事まで考え始めた時、更に鋭い視線を向けたまま彼の唇が動いた。


「……答えろ」


「あ、……え、と……」


声がうまく出ない。

そりゃあそうか。夢の中って動きが鈍くなったり、思うようにいかなかった気がする。


「どうしてここにいる?」


一歩近づいてきて、無意識に後ずさった。
迫力が、凄い。手に当たる草は、ふわふわと羽根のような心地いい手触りだ。


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